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Channel: 万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ
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軽やかで変化に満ちた"Air"・・赤津純子さんの作品展より

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今日から開催中の赤津純子さんの作品展に伺いました。新作の「Air」並んでいます。

ユニークなアイディアと手の込んだ作り、そして赤津さんらしい端正で繊細な映像が素晴らしい作品です。

淡い色合いの背景にくっきりと重なる模様のコンビネーションが特徴の一つ。二重になったオブジェクトセルから生み出される映像です。そのオブジェクトセルはミラーシステムの先端にあり、その下にガラスで囲まれた空間があります。

もう一つとてもユニークな工夫は、下のガラス空間に使われているダイクロイックガラスの層。 光を取り入れる透明なガラス空間は、ダイクロイックガラスで挟まれて、その中にも、結構大きな音を立てて動くダイクロイックガラスのかけらが見えています。

これらのダイクロイックガラスの層での、光の反射と通過の仕方で、この映像の色合いが驚くほど変わります。

「Air」 というタイトルの通り、映像に空気感があり、軽やかに変化する色合いが見る人の心にそっと響く・・・そんな雰囲気の作品です。赤津さんのDMの言葉をお借りすれば、心の気配を感じ取る景色にも思えます。

細く、小さく、薄いガラスオブジェクトの重なりが作り出す4ポイント映像の周りは細かい光の点が囲んでいます。 これもこの作品の特徴の一つです。

筒に使われているガラスには、それぞれ模様が焼き付けられており、今までの作品とはまた違った魅力を見せています。軽くて覗きやすい作品になっています。

こちらは作り続けている「相響む」です。サンドブラストの模様にも種類が増え、ガラスの色合いも増えたでしょうか。手前の立法体の作品は「たまははき」です。

「相響む」の黒い背景の映像。 きれいです。オブジェクトに銀線細工も含まれていると教えてもらいました。

 どの作品も同じものはなく、どれも精魂込めて作られた万華鏡です。 優し気でありながら、凛とした雰囲気もある万華鏡たちに、今年も感動をもらいました。

赤津純子作品展
2016年12月7日~13日 
松屋銀座7階 遊びのギャラリー 
午前10時~午後8時 9日と10日は午後8時30分まで 


コージー・ベーカーさんが拓いた万華鏡世界大会への道

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新年あけましておめでとうございます。
今年はいよいよBKS万華鏡世界大会in京都の年。 万華鏡ファンの方も、まだ現代万華鏡を知らない方も、海外からのお客様も、そして参加する作家さんも楽しんでいただけるような会となるように願っています。ウェブサイトでご紹介していますので、ご覧ください。 www.bks2017kyoto.com

今日はブリュースター・カレイドスコープ・ソサエティの創始者、コージー・ベーカーさんの話をご紹介したいと思います。

コージーさんがご自分の万華鏡史を語られた文章からわかるのは、誰にでもありそうな万華鏡との出会いがあったこと、情熱を傾けるものを見つけたこと、そして、一番素晴らしいのは、そこから自分の力で一歩踏み出したことです。

コージーの万華鏡ヒストリー
~コージーの万華鏡への関心はどのように始まったか~
2004年6月30日 

 1983年、「悲劇を乗り越えて」“Triumph over Tragedy”という講演をするために訪れたテネシー州ナッシュヴィルのクラフトショップで、私の最初の万華鏡(ダグ・ジョンソンの作品)との出会いがあり、買い求めました。帰りの飛行機に乗っている間ずっとこの小さな万華鏡を見つめ続け、急いで家に戻ってからお気に入りのドビュッシーやラベルの音楽をかけて、また覗きました。私はこの万華鏡を見てとても感激したので、私の発見した新しい「素晴らしい驚き」“Wonder of Wonders”を見せたくて12名ほどお招きしてディナーパーティーを開きました。そのお客様の一人が私にスミソニアンマガジンの記事を読んだかと尋ねたのです。読んでいないというと、彼女は1冊送ってくれました。その記事に7名の万華鏡アーティストのことが書かれていたのです。どのあたりに住んでいるかは、その記事からわかりましたので、電話帳でさらに調べました。そして一人一人を訪ね、できる限りのことを教えてもらいました。どこで売られているのか、どんな人が買うのか、ほかにも作っている人たちがいるのか・・・その頃作家の人たちは、作品を主にアートやクラフトの展示会とか、地元のギフトショップなどに置いて、地元の人に知ってもらうことを目指していました。どんな手がかりでもあれば、私は置いてあるという店を訪ね、万華鏡を買ったお客様について質問しました。そしてその人たちを探し出し、また、他に売っている店の情報を得ました。私はもっともっとたくさんのことを知りたいと思いました。

 連邦議会の図書館に勤めていた友人が、万華鏡のリサーチをしたいという私を連れて行ってくれたので、新聞や雑誌の記事の目録から万華鏡に関するものを探し出しました。ここでもどんな手がかりも見逃しませんでした。そしてカレイドスコープという言葉がタイトルに使われた18冊の本を見つけましたが、1冊として万華鏡について書いた本はありませんでした。私は思いました。「まだ本が出ていない分野で新しい情熱を見出すことができるライターはとてもラッキーだわ。世界で最初の万華鏡の本を書いてみよう。」 しかし次にこう思いました。「でも私はいったい何を書くの? 他に本は無いし、万華鏡もちょっとしか手に入らないのに」・・・・ そして私はケープコッドから旅を始めたのです。そこで私は万華鏡アーティストのジョン・カルバー John Culver に会い、今度はカリフォルニアに向かいました。万華鏡の専門店で万華鏡のカタログまで出しているライトオペラカンパニーのオーナー、エリック・シニツァー Eric Sinizerに会うためでした。そこで私は何年も万華鏡を集めているというパット・シーマン Pat Seamanにも会いました。出会いは、また別の名前や情報源へと繋がっていくものです。そうするうちに私はいろいろな人から電話をもらうようになりました。「あなたが万華鏡に興味を持っていると聞いたのですが・・」と。私はますます学びを深め、記録をとり、万華鏡を集め続けました。

 ある日友人から連絡があり、ストラスモアホール アートセンターの所長さんを私のコレクションを見せにつれて行って良いだろうかと尋ねられました。もちろんお受けしたのですが、エリオット・ファンシュテール Elliot Phansteihl はコレクションにとても喜んで、万華鏡展を開く手伝いをして欲しいと言ったのです。私はもちろん大変嬉しく、時期を同じくして、私の最初の本の発行と最初の展覧会がなされることになったのです。(1985年9月のことでした。) 私が本に書いた40人の作家のほとんどがこの展覧会に参加しました。彼らはみなとても気さくな良い人たちで、しかもとても熱心だったので、私は万華鏡愛好家の組織を始めることにしたのです。これがザ・ブリュースターソサエティーの誕生です。そしてその続きはみなさんもご存知のとおりというところです。

スギッチさんのカレイドスコープ

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今日はデヴィッド・スギッチさんの作品をご紹介します。ステンドガラス製のワンドスコープや、3D映像を生み出すミラーシステムが特徴の作家です。1月25日から始まるプレリュード 展(*)でも作品をご覧になれます。

(*)プレリュード展は5月に開催される2017BKS万華鏡世界大会のプレイベントとして、1月25日~2月19日まで東京国際フォーラム内のアート・フォーラム・ショップで開催される万華鏡展で、世界大会参加予定の作家の作品が展示・販売されます。

上の映像はNova Hexagonal という作品の映像です。 ヘクサゴナルというのは6つの辺からなる図形で、この映像の青くて太いラインが作る形を意味しています。この太いラインは外側のステンドガラス面に組み込まれたワンドを内側からテイパードミラーシステムで映し出したもの。全体が球体になっていて、立体的に見えます。

先端部はガラスの球体で、周囲の模様を取り込むレンズの役割をします。装飾はんだできれいに飾り付けています。
そして白いガラスの面は光を通します。虹色の立体的な細いラインが浮き上がるのは、白い面に光を受けるように持った時です。

白い面にライトを当てて動かしてみると、見える景色がダイナミックに変わります。

光と鏡とちょっとした仕掛けでこんなにユニークで迫力のある映像世界が見えるのが面白いですね。写真以上に実物は迫力があります。 スギッチさんのカレイドスコープはオブジェクトはほとんどワンドタイプです。 バーナーワークで創るオブジェクトに力を注ぐ作家さんも多い中、彼はミラーシステムで勝負するタイプです。ミラーのマジックを楽しみ、覗いた人が驚く、そんな作品をいろいろ生み出しています。

スギッチさんの定番はワンドをオブジェクトとし、その流れをミラーシステムを通して楽しむものです。緑色は「イン・ヤン」という作品で、ひし形に組まれたミラーシステムから2つの中心映像のある模様を生み出します。2つの映像の流れる方向が反対なのが、とても面白い万華鏡です。陰と陽ですね。

ピンクとブルーの作品は「インサイト」です。二等辺三角形に組まれたミラーシステムを通して、大きな映像とそれを囲む小さな映像が流れるように変化していきます。

ワンドは、中のビーズが大きいもの、小さいもの、スパンコールが入っているもの、天然石の粒が入っているものなど、それぞれ見せる映像の表情も違ってきます。 スパンコールの入ったものは、鏡の向こうに花火が打ち上げられたみたいで、初めて見る人はみなびっくりします。

狭い角度の二等辺三角形やひし形から生まれる映像はとても細かく、繊細な色の流れを楽しむ万華鏡です。

もうじきお披露目になる万華鏡世界大会のポスターにも、彼の迫力のある映像がデザインに使われています。お楽しみに。

個性あふれる和の万華鏡  - 「プレリュード展」から -

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東京フォーラムで開催中の「プレリュード」展から、ご紹介します。 この展示会は、5月に予定されているブリュースター・カレイドスコープ・ソサエティが初めてアメリカ以外の国で開催するコンベンション 「BKS万華鏡世界大会in京都」 のプレイベントとして、開催されています。 京都での開催ですが、東京近辺の方にもご案内するために、国内外の参加作家40数名の作品を展示しています。 京都ではもっと多くの作家さんが参加して、新しい作品の発表もあります。

たくさんの作品が展示されていますが、その中から、日本的な花をイメージした万華鏡をご紹介します。
トップの写真は鈴木明子さんの「桜」の万華鏡映像です。

 

真ん中の作品ですが、筒にも桜の花がデザインされています。 鈴木さんは季節感のあるテーマで万華鏡映像を表現なさるのがとても上手ですね。上の映像も落ち着いた色合いで華やかさが演出されています。 

こちらは初めてこのブログでご紹介する山崎史朗さんの作品です。ノウゼンカズラの花を描いた磁器の万華鏡に銀細工をアイホールとセルの周りに施しています。 山崎さんはジュエリーデザイン、グラフィックデザイン、彫金、茶道具、根付けなど多様な分野で活動なさっていて、日本の工芸美を万華鏡に表現しています。

こちらの内部映像も色調が和風な感じできれいな花模様ですね。

次は大塚新子さん・友子さんの作品で源氏物語を描いたデコパージュの万華鏡です。外観をデコパージュの技法で装飾し、内部映像と合わせて物語の世界を創り出す作家さんです。絵付けの桐箱もともに源氏物語の雅な世界を表現しました。

ミラーの第三面に少し反射する素材を使って、中心の映像の華やかさが広がる映像です。

そして今日の朝日新聞で紹介されていた中里保子さんのガラスの万華鏡です。サンドブラストで花や蝶文様をガラスに描き、オーバル状に形作った作品です。中里さんがこのシリーズに選ぶガラスは、和の表現にふさわしい落ち着いた赤、柿色、緑などで、抑えた表現ながら手作りの暖かさと美しさが魅力です。

オブジェクトセルは偏光フィルターで区切られ、偏光素材(透明)の部分とバーナーワークで作られたガラスオブジェクトの部分が分けられています。先端部を回すと、外からの光を受け、2種類のオブジェクトがそれぞれの表情を見せる特徴があります。

ほんの一部のご紹介でしたが、それぞれの個性が見えたのではないでしょうか? 万華鏡の世界はたくさんの作家さんによって、奥深い面白味を味わうことができます。 また進化する材料や技術によって、新たな世界も生み出されます。
万華鏡を見る機会がありましたら、ぜひ手に取って、そして動かして、映像の変化を味わってください。アート作品を手に取ることに抵抗を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、万華鏡はインタラクティブなアートです。優しく丁寧に扱っていただければOK。その驚きに満ちた世界が目の前に展開することでしょう。

Salt and Pepper and K !

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食卓に置かれた調味料入れ・・・Sはソルト、Pはペッパー、ではKは何でしょうか?
実用的な中に遊び心のある作品です。
K はKaleidoscopeの K そう、万華鏡です。

高林千稔さんは木工の万華鏡作家さんで、木肌の美しさと木工ならではの造形美を表現した万華鏡を制作しています。
この可愛らしい K という調味料は、思わず手に取って発見した人に、楽しさという味付けをしてくれます。

もちろん本格的な万華鏡で、覗けば透明感のあるガラスオブジェクトが白い背景にきれいな模様を描きます。

食卓で思わずにやりとしてしまいそうな万華鏡の入った調味料セット、楽しいですね。

木の万華鏡の持つ暖かさに加えて、作家さんの「楽しんでください」という気持ちが感じられて、プレゼントにもいいなあと思います。

万華鏡世界大会 来日作家の紹介 スコット・コールさん

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久しぶりの投稿となりました。BKS万華鏡世界大会を1か月後に控え、今日はアメリカから参加する作家のひとり、スコット・コールさんの作品を紹介します。
作家歴と同様に制作指導でも長い実績をもつ作家さんで、素材もいろいろ使いこなし、様々な作品を生み出します。そのなかでも、金属の筒の作品は定番といえるでしょうか。上の作品は銅にエッチングで表情をつけた筒で、先端でオブジェクトセルが滑らかに回転します。 船の舵輪を思わせるローテーターは、150年くらい前のブッシュ万華鏡のスタイルを思い起こさせます。滑らかな回転とオイルの中の滑らかな動きが特徴です。オイルの中にあるオブジェクトは透明感のあるガラスとビーズ、そしてワイヤーなどで、光をたっぷり取り入れるセルなので、とても明るい映像を見せます。

次の作品はアルミニウム製の筒に真鍮の部品がアクセントになっています。先端部が回転し、オブジェクトセルの背景は半透明な白。 ドライセルです。

オブジェクトセルの側面が青いので、映像にも影響しています。2ミラーシステム6ポイントの映像は、小気味よいガラスオブジェクトの動く音とともに姿を変えます。真正面から光を当てるとくっきりとした白い背景の映像で、少し向きを変えてサイドから光が入ると青みがかった光となって陰影のある素敵な映像を見せます。オーソドックスな2ミラーの万華鏡のスタイルですが、オブジェクトの構成や光の通し方にスコット・コールさんらしさが感じられます。

最後はペンダントです。スターリングシルバーにエッチングで表情をつけた筒は、長さ6.5㎝です。チェーンを首にかけたまま万華鏡を回して楽しめるようになっています。

内部の映像は焦点距離に合わせたレンズを使用していて、小さなオブジェクトセルにもかかわらず、思いのほか大きく見えてびっくりします。

京都での万華鏡世界大会では、スコット・コールさんもワークショップを担当していて、アルミニウム製のペンダントタイプの作品の制作を教えてくれます。 中にどんなオブジェクトを選ぶかは自由です。旅が好きなスコットさんは、今回の日本訪問、そして日本で教えること、参加する人との交流を楽しみにしています。詳しい教室の情報は、BKS万華鏡世界大会のウェブサイトでご覧ください。 http://bks2017kyoto.com

 

万華鏡世界大会 来日作家の紹介 チャールズ・カラディモスさん

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この美しい万華鏡映像を生み出すのは、万華鏡界でも皆が尊敬する作家、チャールズ・カラディモスさんです。2ミラードライセルの作品にこだわり、完璧なシンメトリーで、美しく変化の多い万華鏡映像を作りだすことで有名です。彼の作品は覗きながら先端のオブジェクトセルを回すたびに、次への期待が高まり、手放しがたくなります。

これは昨年、カラディモスさんの自宅の一部をギャラリーにして、コンベンション参加者を招いてくださったときのものです。 作品のほとんどが限定数の制作なので、ここにある作品を新たに手に入れることは難しいですが、京都での世界大会にはどんな新しい作品を持ってきてくださるのか、楽しみです。

彼はブリュースター・カレイドスコープソサエティの立ち上げの時からコージー・ベーカーさんを手伝い、ソサエティーのためにも大きな役目を果たしてきました。誰にでも分け隔てなく接してくださる暖かい人柄と、万華鏡制作への真摯な姿勢で、会員みんなから尊敬を集めています。

きれいなシンメトリーを生み出すミラーシステムにこだわり、テイパードミラーシステムでミラーを組みます。鏡の先のほうが広がったミラーシステムで、中心がぶれず、また大きな映像を生み出します。世界大会は、会場で手に取って見ることができる貴重な機会です。

背景は光を通す白、あるいは色ガラスのこともありますが、先端からの光を取り入れて見る万華鏡が多いです。
そのカラディモスさんが、今回初めての万華鏡制作ワークショップをしてくださることになりました。アメリカのコンベンションでも今までになかったことですので、ご本人も時間をかけて準備してくださったようです。

教室で作る作品はこんな形です。すべての工程を手作りなさるカラディモスさんのキットで、どんなふうに彼の万華鏡が生み出されるか学びながら、参加者それぞれのセンスで作りあげます。

この教室はもう受講者を締め切っていますが、展示会場では、カラディモスさんの作品を展示、販売するブースがありますので、作品を見ながら直接作家さんと話す機会もあることでしょう。(会場には通訳のお手伝いくださるボランティアの方もいます。) 

万華鏡世界大会 来日作家の紹介 ペギー&スティーブ・キテルソン夫妻

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キテルソン夫妻は日本でもよく名前を知られている作家さんだと思います。前から日本に行きたい、着物美術館に行きたいと話していたペギーさんがついにやってきます。
ペギーさんの創るオブジェクトは本当に美しくて、オイルの中でゆったりと動く姿をミラーを通してみると誰もがうっとりとします。 

一つ一つ丁寧にバーナーワークで創られたガラス細工ですね。生み出される映像は一瞬の姿も美しいですが、その流れの変化を見るのが至福です。

こちらのセルもよくご覧ください。 細かい細工が分かりますね。

コージー・ベーカーさんの本でもガラスオブジェクトの美しさを褒めたたえられた方です。日本にはどんな作品を持ってきてくださるでしょうか。

ペギーさんだけではありません。 ご主人のスティーブさんは様々なガラス工芸の技術を学び、素晴らしいデザインの万華鏡のボディーを担当します。 木工も手掛け、ガラスと木を組み合わせた作品は、存在感のある美しい置物です。

今回の世界大会では、作品の展示、販売のほか、オリジナルの、しかも日本限定の、ガラスの筒を用意して、ワークショップをしてくださいます。
まだ若干の余裕がございますので、キテルソン夫妻から直接習いたい方、ぜひお申込みください。 素敵な万華鏡と楽しい思い出を持ち帰っていただけるよう願っています。 詳しい情報は、万華鏡世界大会のウェブサイトでご覧ください。http://bks2017kyoto.com

 


カメレオン星雲 Chameleon Nebula

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この美しい色の重なる映像を生み出すのは、マーク・ティクルさんです。万華鏡世界大会in京都での新作発表作品で、見事ピープルズチョイスアワードを獲得しました。マークさんと言えば、3D映像のミラーマジックとバーナーワークのガラスオブジェクトが有名ですが、これは一味違った作品です。

ピープルズチョイスアワードとは、BKSコンベンション(世界大会)の参加会員が新作発表した作品の中から3点を選び、その集計結果のうち評価の高かった3人の作家さんに賞を授与します。順位はありません。今年は同数の獲得者も含め4人が受賞しました。

これがテレイドスコープの映像とは!と驚いた人も多いことでしょう。テレイドスコープに斬新なアイディアを取り入れて、このような映像を生み出したところが評価されたと思います。名前は「カメレオン星雲」。最新作のカメレオンシリーズのうちのテレイドスコープです。何度も試作を重ねて、やっと思い通りの映像が表現できたと言います。

筒の先端には、高品質で大きな水晶球があります。 ミラーシステムは、4ミラーと2枚のダイクロイックミラーフィルター、つまり6枚のミラーが生み出す映像です。そして3つの窓が大きな影響を与えます。

それぞれから入る光により、またその角度により色が変わることから、カメレオンと名付けたそうです。

一番シンプルなつくりのテレイドスコープにこんな新しい展開があることを教えてくれました。 すごいですね。

紅花流水紋 A Red Flower on flowing Water

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今回のBKS万華鏡世界大会で運営委員の一人としてご尽力いただいた中里保子さんの作品をご紹介します。タイトルは「紅花流水紋」です。この作品は参加会員の投票によって選ばれる「ピープルズチョイスアワード」を受賞しました。
流水紋のあるガラスは京都にもゆかりの深い「琳派」の雰囲気を見せています。ただ中里さんの意図は、琳派の芸術をそのままガラスで表現するのではなく、400年も前のアートに見られた斬新な切り口を万華鏡のデザインに取り入れたところにあります。流水と花は古典的なテーマですが、このデザインは確かに現代的ですね。

とても印象的な外観の紅い梅の花と連動するように、内部にも花が咲きます。二つの覗き口の一つからは2ミラーシステム5ポイントの映像です。

そしてもう一つはとても大きな開口部から見える奥行きの広がる映像です。 テイパード4ミラーシステムです。

とても広がりのある映像なので、1枚の写真では取り切れないほどです。これらの映像を生み出すオブジェクトは2つあり、ガラス製のホィールとオイルワンドです。金色も配して琳派のような華麗さも表現しています。

ホィールが本体の下に少し見えていますが、鮮やかな色合いが分かりますね。 本体の色が抑えられている分、この鮮やかさが映像に意外性を感じさせて、思わず見入ってしまいました。

台座は積層ガラスとステンドガラスで構成してあるそうです。全体のデザイン性を高め、ガラスの美しさを見せてくれる演出ですね。ギリギリまで試行錯誤を重ねていることは伺っていましたが、その結果の作品を拝見して、完成度の高さに感銘を受けました。

中里さんのこの作品も含めた、「万華鏡世界大会in京都2017」出品作家展が6月21日~7月9日まで、流山市の万華鏡ギャラリー寺田屋茶舗 見世蔵 で開催されます。 東京近辺の方も世界大会出品作品をお楽しみいただける機会ですので、どうぞお楽しみに。 

久保田一竹の着物に魅せられて  Homage to "Landscape Kimono" by Itchiku Kubota

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今日ご紹介するのは、スティーブ&ペギー・キテルソン夫妻の作品、「夕暮れの光景」 Reflections Before Nightfall です。
外観から着物がデザインされているのがわかりますか? ダイクロイックガラスを重ねて微妙な色模様を演出しています。
木製の支えは、着物がかけられている衣桁を思わせます。日本のコンベンションでの発表に至るまで、この万華鏡が生み出されるまでのストーリーがあります。

1990年代後半ペギー・キテルソンさんとシェリー・モザーさん(万華鏡作家)がコージー・ベーカーさんを訪問した際、自然史博物館で開催されていた久保田一竹の着物の展覧会に誘われました。何の予備知識もなく訪れたその展覧会で、ふたりは「風景を描いた着物の連作」に衝撃をうけ、言葉では言い尽くせないほどの感動を覚えたそうです。そしていつか日本を訪れて、久保田一竹美術館を訪ねたいと私たちにも語っていました。
(コージー・ベーカーさんはブリュースター・カレイドスコープソサエティの創立者であり、作家を育て、現代万華鏡のアートを広めることに多大な貢献をなさった方です)

その久保田一竹へのオマージュとなる万華鏡を、ガラスを素材として作りたいと考えたのです。 「風景を描いた着物の連作」の最初のシリーズは「夕暮れの光景」と題しました。 限定版でいくつかずつ制作していく予定です。 ダイクロイックガラスを使い、着物の絹の光沢や質感の違いを表現して風景を演出しています。

7ポイント2ミラーの映像の周囲にオーラのごとく輝くのは、ミラーの第3面にダイクロイックガラスを貼っているからです。オブジェクトセルの横から入る光とオブジェクトの色を映して、輝きながら、色鮮やかに変化します。

オブジェクトセルは交換して楽しめます。 マグネットで着脱が簡単です。ひとつひとつがガラス造形のようなオブジェクトで美しいです。ペギーさんの技術とセンスを凝縮したセルは、そのまま見ても本当にきれいですが、ミラーシステムを通して見る映像はまた新たなアートを生み出します。

 このコンベンションの後、ペギーさんたちは念願の久保田一竹美術館に行くことができたと聞いています。次の作品にその印象が表現されることでしょう。

カラディモスさんの初めての試み

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BKS万華鏡世界大会で来日したチャールズ・カラディモスさんの新作です。ガラスを窯で成形し、2つのパーツを合わせて筒にするのが彼の定番スタイルでしたが、今回発表したのは、ガラス製ではありません。 なんと3Dプリンターによって成形した筒の作品で、プロトタイプ第1号です。 まだ正式なタイトルもありません。高さが約24㎝あり、プリントするのに60時間かかったそうです。コンピューターから生まれる立体作品をどのように形容したらいいのか、私には正直なところよくわかりませんが、結構複雑な形です。

写真はいずれもご本人から提供されたものです。

2ミラー9ポイントの美しいシンメトリーは、さすがカラディモスさんならではのもの。 オブジェクトはランプワークを施したガラスやドライアンプルで、魅力的な映像を生み出します。 

オブジェクトセルは簡単に開閉ができ、中のオブジェクトを交換できるという点も彼の作品にはなかったタイプです。
3Dプリンターの可能性に注目し、第1号に手ごたえを感じたカラディモスさんは、今後も挑戦していくとおっしゃっています。

今日でこのブログの1700回目の投稿になります。 これからも作家さんの創る素敵な万華鏡をご紹介していきたいと思いますのでお付き合いいただければ幸いです。

 

ジャポニカ

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京都で開かれた万華鏡世界大会で新作発表をした作家さん15人の作品展が、流山市の万華鏡ギャラリー「見世蔵」で開催中です。世界大会のために意匠を凝らして制作されたものばかりで、大変見ごたえのある作品展になっています。

今日はその中から松田晃江さんの「ジャポニカ」をご紹介します。 名前の由来は白いモダンなタイルです。

どれも伝統的な和のデザインが施されていて、これを生かした万華鏡を創ろうと考えたそうです。全体の丸い形も可愛らしいですね。 この写真では写っていませんが。台座部分は月を掲げるうさぎのデザインになっています。

松田さんの作品はどれも繊細な映像が素敵です。和のイメージで選んだガラスオブジェクトは透明感があり、オブジェクトセルを回すたびに重なりの表情が変わりますが、これは白い背景だからこそ美しく映えるのですね。

白い背景というのは、和紙を使っているからです。光を通しながら、後ろの景色は映り込まないので、すっきりとした見え方です。二つのミラーシステム(2ミラーと3ミラー)が組み込まれています。

外観は白と黒でまとめた和モダンのパーラースタイル、中を覗くと優しく繊細なガラス色が展開して目を楽しませてくれます。

 この作品展は7月9日まで流山市の万華鏡ギャラリー見世蔵で開催中です。
10時~17時 月、火休館 電話 04-7190-5100

シャンデリア

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引き続き 万華鏡ギャラリー見世蔵さんの作品展から、北村幸信さんの「シャンデリア」をご紹介します。LEDライトが組み込まれていて、このように全体が輝いています。本体はCDがカットされ、うねりのある重なりになるようにデザインされています。この素材の特徴から虹色を生み出すホログラム効果があります。

ホイールのオブジェクトもCDを使い、様々な素材を飾り付けています。中からもライトが当たるので、光を受けて光沢のある映像を見せます。この作品の最もユニークで、北村さんらしい発想が見える特徴は、このホイールの回転にあります。 このホイールは水平方向だけに回転するだけでなく、傾きを変えながら回転できるのです。取り付けたマグネットの形と傾きのある万華鏡本体がポイントで、遊びのある動きを可能にしています。百聞は一見に如かず! です。

 

CDやDVD を素材にユニークな作品を生み出してきた北村さんは、動きや仕組み、仕掛けの面白さを追求する作家さんです。私に作品を説明してくださるときも、写真入りの説明書を用意してくださいます。おかげでどれほどの工夫が詰め込まれているかわかります。

回転を止めてオブジェクトホイールを傾けてみると、輝きや表情、色合いまでもが変わってくるのがすごく面白いです。そしてこのホイールはマグネットで簡単に着脱ができるので、交換して変化にとんだ模様を楽しめます。

まるで西陣織の模様を見ているようです。京都での新作発表への工夫の一つに違いありません。写真では豊かな表情をお見せしきれず残念です。

 

 是非実物を体験していただきたい、素晴らしい作品です。

種 Seed

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透き通ったガラスは重なって緑を帯び、美しい塊になっています。佐藤元洋さんが「種」と名付けた作品です。「フロートガラスの光のグラデーションが特徴」と作家さんご自身の説明がありました。 積層という技法で重なっているのに、どこまでも澄み切った感があり、透明度という言葉を使いたくなるような、美しいガラス造形のボディーです。いつもの吹きガラスの万華鏡ではなく、また、スタンドも金属製で新鮮な印象です。

オブジェクトはバーナーワークで作られたガラス。背景が黒のオブジェクトケースと背景が透明なオブジェクトケースの2種類があり、交換して楽しめます。

透明な種の想いをイメージして創ったというこの作品、色とりどりの夢の華を咲かせます。いつもながら繊細で美しい色模様が展開し、目が離せません。

これらの写真は黒い背景のオブジェクトケースを取り付けたときの映像です。透明な本体の美しさにまず目を惹かれ、中を覗いて、そこに展開する色模様にまた感動をもらい、作者の想いが伝わってくる気がしました。
この作品はピープルズ・チョイス・アワードを受賞しました。佐藤さんは3回目の受賞となります。素晴らしいですね。

流山市の万華鏡ギャラリー見世蔵の「万華鏡世界大会2017 出品作家展」で展示中です。7月9日まで。


胡蝶の夢 II

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BKS万華鏡世界大会で出品された鈴木義雄さん、吉見秀子さんの「胡蝶の夢II」をご紹介します。水晶の蝶が主役となって素敵な映像が展開する作品です。

外観は吉見さんの手になる木彫りの藪手毬が咲き乱れます。その花のすがたから蝶の舞を思い起こさせる花木です。
一辺が43㎝の三角の大きなボディは高さも49㎝あり、堂々と落ち着いた雰囲気があります。
この大きな作品の覗き口は上部にあります。4種類のミラーシステムを内蔵しており、それぞれが生み出す映像には作家の想いと意図が表現されています。

 この作品に II とついているのは、「胡蝶の夢」という作品が存在するからです。このII では、2011年3月11日の東日本大震災をきっかけに制作なさった「胡蝶の夢」3部作のひとつ「鎮魂」に登場する"水晶の蝶”を主役として展開する物語を紡いでいます。上の映像は中央の覗き口から見たもの。その蝶が新しい蝶の生まれ戯れるのを見ているところだそうです。「再生」の想いを込めています。

二つ目の覗き口からは赤を基調にした3ポイントの映像が見えます。

三つ目の覗き口からは青を基調にした4ポイントの映像が見えます。いずれも生まれ出る映像は”再生”を表現します。

そしてもう一つの覗き口からは、金と銀に満ちたユニークな映像です。 時間の流れを表現しています。

異なるミラーシステムに物語を託して、あの未曽有の災害の犠牲者の魂を鎮めたいという、とても深い意味のある作品です。そういう万華鏡もあるのですね。作家さんが伝えたい想い、見る人がそこに感じる想いも同じでなくてもいいのです。でも何かを感じるに違いない作品と思います。

写真は鈴木義雄さんご提供のものを使わせていただきました。 飾られているのが床の間で、それもこの作品の飾り方として素敵だなと思いました。

こだわりの映像表現 高林千稔さん

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今日ご紹介するのは、高林千稔さんの「-So-un-」(そううん)という新作です。スタイリッシュなこの作品にはいろいろな工夫があります。手になじむ大きさ、置いたときの安定感、特徴のある大きなガラスのオブジェクトセル、覗きやすさを追求したアイホール、滑らかなオブジェクトケースの回転、完璧なミラー組み・・・万華鏡の機能的な部分へのこだわりがたくさん感じられます。
使われている木材は、明るいほうは普通の欅、暗い色合いのほうは、火山灰等に千年以上埋もれていたとされる神代欅です。

そしてもちろん映像へのこだわりも高林さんらしさ全開です。
ガラスのオブジェクトケースはひとつひとつ手吹きで制作したもの。凹凸のラインをつけて外からの光が内側に透過した際に光の筋になるように考えました。
背景には厚さの異なる2枚の和紙を張り合わせ、通過した光を均一に拡散させる和紙の性質を生かして、映像への効果を考えています。

オブジェクトはガラスと和紙。
陰影のある白のオブジェクトを引き立たせるため、ガラスオブジェクトの表面にエッチング加工をしたり、陰影のあるガラスオブジェクトに和紙を巻き付けたり、群青の岩絵の具を塗った和紙を貼ったりするなどかなりユニークなオブジェクトが組み込まれています。また太陽光と蛍光灯下で色が変化する特殊なガラスも使っているそうです。

こちらは2ミラー(神代欅)の映像です。和紙を透過した光がオブジェクトと響きあって生まれた陰影のある模様が特徴です。

万華鏡作家としてのスタート時点から白い陰影のあるオブジェクトにこだわり続けてきた高林さんの新たな試みはいかがですか? 作家さん自身の言葉で説明していただかなければ想像もできない細部へのこだわりと生み出された結果に感動を覚えます。
「ドライスコ―プの良さの一つである、回しながら一瞬の変化を楽しむことに加え、極端に回すスピードを落とし、動かさずとも、一つの灯りに対し自らが動くことで変化を楽しんでいただくことを提案したスコープです。」これも作家さんのメッセージです。

 

 

 

AVATAR デヴィッド・スギッチさんの受賞作

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AVATAR はデヴィッド・スギッチさんが京都の万華鏡世界大会で発表し、ピープルズ・チョイス・アワードを受賞した作品です。 該当作品はアメリカの万華鏡店が買い上げましたが、帰国後、同じコンセプトで制作した品を日本に送ってくれました。日本での大会をとても楽しんでくれ、日本の文化に感銘を受けたこと、自分の今後の制作に活かせそうなインスピレーションを得たこと、コンベンションへの参加の意義を改めて見出したとのコメントをいただきました。そして感謝の気持ちを込めて、京都万華鏡ミュージアムへ記念の作品として送ってくださったものです。 嬉しいことですね。

前面の白いガラスは光を透過し、ほかの2つの側面はこのような黒地に虹色の模様が見える美しいガラスで制作されています。

覗き口は底に当たる部分の大きな三角形の窓です。 持ち上げて覗くのですが、結構重いです。
このように覗くのが正しい覗き方。 覗く時、外部からの光が入らないように工夫されています。しっかりと持ち上げて、白い面に光が当たるようにします。さらにスギッチさんがやっているようにフラッシュライトを当てる場所を変えていくと、色模様が劇的に変化して、さらにダイナミックな映像を楽しめます。

彼のトレードマークでもあるテイパード3ミラーシステムによる3D 映像は、宇宙に浮かぶ星が表され、そこへの旅に誘われるようです。

ジェームス・キャメロン監督の映画「AVATAR」にインスピレーションを得たこの作品、ファンタジックな映像が魅力です。

作品の制作にかかわることもあるナダレさんと一緒に受賞を喜びました。 BKSの万華鏡コンベンションで受賞なさったのは初めてのことだそうで、その意味でも記念すべき大会になったと思います。

おめでとうございました。

 

 

アワーグラス

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マーク・ティクルさんが最近創っているカメレオンシリーズの作品から、アワーグラス(砂時計)のような見え方をするテレイドスコープです。

本体はこんな感じです。

この間の万華鏡世界大会でピープルズ・チョイス・アワードを受賞した「カメレオン・ネビュラ」/下の写真左(2017年6月1日のブログ参照)よりも小型です。透明なガラスの筒の内側に紙などを巻いていますが、そこに組み込まれた工夫がこれらの窓です。

中の映像はボディーの窓から取り込む光とミラーとダイクロイックミラーフィルターによって色の模様が生み出されます。テレイドスコープですから先端の水晶球から取り込まれる映像が映りこむのはこの砂時計のような部分です。

見るたびに周りの色合いも変わり、不思議な気分になるテレイドスコープです。光の当たり方次第でさらに鮮やかな色になることもあります。

テレイドスコープの最先端を行く、ティクルさんのカメレオンシリーズはプロダクションタイプです。3D映像がトレードマークであるマーク・ティクルさんらしいユニークなテレイドスコープ、なかなかフォトジェニックな映像で、写真を撮るのも楽しく、その意味でも現代的かなと感じます。

 

Starburst  輝く星

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黒地のガラスにダイクロイックガラスをフュージングして、星型の輝きを表す模様を特徴としています。チャールズ・カラディモスさんの新作 "Starburst"です。限定版(8個)シリーズのひとつですが、手作りであり、模様の形、色合いなど同じものはありません。ダイクロイックガラスなので光の当たり方、見る人の見方で色合いが変わります。

 

テイパード2ミラー・ドライセルの基本スタイルは変わりませんが、背景のガラスに今回使っているのは、半透明のガラスで、虹色光沢が施されたものです。映り込む映像に何気なく影響を及ぼします。

14ポイントのシンメトリーですから、ミラーの角度はかなり狭く、アイホールからデジカメで撮影しても完璧な円状の映像は写せませんでしたが、・・・・

スマートフォンで撮影すると、欠けることなくきれいな映像が写せます。

ガラスの粒を閉じ込めたドライアンプルがオブジェクトとして魅力的です。ランプワークを施したガラス細工と組み合わせ、複雑でランダムな映像が生まれるように工夫しています。

ドライセルの心地よい音を聞きながら、千変万化の映像を楽しむのがカラディモスさんの作品の楽しみ方。オーソドックスで万華鏡の原点のような映像表現の中に、新しさを加えながら、現代的な感覚を見せてくれるところが素敵だなと思います。

これらの静かな映像を見てきれいだなと思ってくだされば嬉しいですが、覗いて見る実物はもっと 生き生きとしていることもお伝えしたいと思います。

 

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